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    ロジャーズ「必要十分」論文(9)


    引き続き、カール・ロジャーズの1957年の有名な論文、「セラピーにおけるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」("The Necessary and Sufficient Conditions of Therapeutic Personality Change", Journal of Consulting Psychology, Vol. 21, No. 2, 95-103)を細かく読んでいく。


    前回は六条件のうちの第六条件にかんする解説部分、「クライエントによるセラピストの知覚」を読んだ。

    今日は、「条件」節の最終項目にあたる、「いくつかのコメント」を読む。

    ロジャーズは議論を望んでいる。

    理論的文脈は別論文に譲るとしても、少なくとも六条件を、「測定可能で定義可能な」ものとして提示している。

    この点で、ぼくはこの論文がカウンセラーにとっての最重要論文だと思っている。

    これを無視してたんに「体験的に」マイクロカウンセリングを積み重ね続けても、それは(コミュニカティブでないのだから)不毛なだけだし、暗黙の理論にもとづきながら「理論は重要ではない」というありがちな主張につながってしまう。



    いくつかのコメント

    第一段落:

    Some Comments


    Up to this point the effort has been made to present, briefly and factually, the conditions which I have come to regard as essential for psychotherapeutic change. I have not tried to give the theoretical context of these conditions nor to explain what seem to me to be the dynamics of their effectiveness. Such explanatory material will be available, to the reader who is interested, in the document already mentioned (see footnote 1).

    脚注1で示されている論文は、『ロジャーズ選集』のこの次の論文として訳出されている。


    私訳:

    いくつかのコメント


    ここまで、心理療法的変化にとって不可欠なものとして私がみなすようになった諸条件を、簡潔にかつ事実にもとづいて提示しようと試みてきた。これらの条件の理論的文脈を示すことも、これらの効果についての私なりの力動論的説明も、私はしようとしてこなかった。そうした説明的な題材については、関心のある読者は、すでに述べた文献で読むことができる(脚注1をみよ)。


    第二段落:

    I have, however, given at least one means of defining, in operational terms, each of the conditions mentioned. I have done this in order to stress the fact that I am not speaking of vague qualities which ideally should be present if some other vague result is to occur. I am presenting conditions which are crudely measurable even in the present state of our technology, and have suggested specific operations in each instance even though I am sure that more adequate methods of measurement could be devised by a serious investigator.

    言葉で伝達できないような曖昧な性質について、ロジャーズは述べているのではない。

    だから、「受容・共感・自己一致」とお題目を唱え続けてさえいればよい、という教育方針は誤っている。


    私訳:

    しかしながら、私は、述べられた諸条件それぞれを、操作的用語で定義する少なくともひとつの手段を提示した。私がこれを行ったのは、なんらかの曖昧な結果が生じるような場合に、理念的に存在しているべきであるような曖昧な質について述べているのではない、という事実を強調するためである。我々の技術の現状でさえも、大雑把に測定可能な諸条件を私は示しているのであり、より適切な測定方法が、真剣な調査によって考案されうると私が確信しているにしても、それぞれの例に対する特定の操作を提案してきたのだ。


    第三段落:

    My purpose has been to stress the notion that in my opinion we are dealing with an if-then phenomenon in which knowledge of the dynamics is not essential to testing the hypotheses. Thus, to illustrate from another field: if one substance, shown by a series of operations to be the substance known as hydrochloric acid, is mixed with another substance, shown by another series of operations to be sodium hydroxide, then salt and water will be products of this mixture. This is true whether one regards the results as due to magic, or whether one explains it in the most adequate terms of modern chemical theory. In the same way it is being postulated here that certain definable conditions precede certain definable changes and that this fact exists independently of our efforts to account for it.

    ロジャーズの最大の強調がここに置かれている。

    もう一度言うが、ロジャーズが強調しているのは(「受容共感自己一致」というお題目ではなく)まさにこの点である。

    操作的用語でもって「定義可能な条件」が「定義可能な変化」に先行しているという主張こそが重要なのであり、必要なのは(反証されるかもしれない)「受容共感自己一致」を厳守することなどではなく、この操作的用語をもちいて議論することなのだ。


    私訳:

    私の目的は、次の考えを強調することであった。私の意見では、力動論的な知見は仮説の検証に不可欠ではないような、もしならば現象(if-then phenomenon)を我々は扱っているのだ、というということである。別の分野から説明してみよう。もし、一連の操作によって塩酸として知られるものであることが明らかになるある物質が、別の一連の操作によって水酸化ナトリウムであることが明らかになる別の物質と混ぜ合わされるならば、塩と水がその混合物から産み出されるであろう。その結果を魔法のせいだとみなすのであれ、近代的な化学理論のもっとも適切な用語で説明するのであれ、これは真である。同様に、明白で定義可能な条件が、明白で定義可能な変化に先行しているということ、そしてこの事実は、それを我々が説明しようとするか否かにかかわらず存在するということが、ここでの主張なのである。




    ダイエット

    (2月23日分)

    403日目。

    体重64.8kg(17.7kg減)。体脂肪率18.5%(9.1%減)。



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