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    ロジャーズ「必要十分」論文(8)


    引き続き、カール・ロジャーズの1957年の有名な論文、「セラピーにおけるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」("The Necessary and Sufficient Conditions of Therapeutic Personality Change", Journal of Consulting Psychology, Vol. 21, No. 2, 95-103)を細かく読んでいく。


    前回は六条件のうちの第五条件にかんする解説部分、「共感」を読んだ。


    今日は、第六条件の解説にあたる、「クライエントによるセラピストの知覚」を読む。

    前回の「共感」と違って、この項目ではロジャーズは非常に物分かりがよい。

    この差異が重要であるように思われる。


    クライエントによるセラピストの知覚

    第一段落:

    The Client's Perception of the Therapist


    The final condition as stated is that the client perceives, to a minimal degree, the acceptance and empathy which the therapist experiences for him. Unless some communication of these attitudes has been achieved, then such attitudes do not exist in the relationship as far as the client is concerned, and the therapeutic process could not, by our hypothesis, be initiated.

    この第一段落だけでは、「共感」にあるように見える誤謬が、ここにもあるように見えるのだが、次の段落でそれは修正されることになるので、ここでは「コミュニケーションが成し遂げられていることが条件である」とだけ受け取っておけば良い。


    私訳:

    クライエントによるセラピストの知覚


    最後の条件は、セラピストがクライエントに対して体験している受容と共感を、クライエントが最低限度知覚していることである。これらの態度についてのなんらかのコミュニケーションが成し遂げられていないのであれば、クライエントが関与する限りでのその関係に、そうした態度は存在しておらず、セラピー的プロセスは、我々の仮説によれば、始動されえない。


    第二段落:

    Since attitudes cannot be directly perceived, it might be somewhat more accurate to state that therapist behaviors and words are perceived by the client as meaning that to some degree the therapist accepts and understands him.

    ここで修正が入る。

    「態度というものは直接的には知覚されえない」ため、「セラピストの行動や発言が受容と共感を伝達するものとして知覚される」ということが定義になる。

    これがなぜ「共感」にはあてはまらないのだろうか?

    前回述べたように、「クライアントが体験していることについてのクライアントの気づき、それについて正確な理解・共感的な理解をセラピストが体験する」という事態は、「セラピストの態度をクライエントが直接的に体験する」のがありえないのと同じ意味で、生じえない。

    「共感」にあたる第五条件を再掲する:「セラピストはクライエントの内的参照枠について共感的理解(empathic understanding)を経験しており、クライエントにこの経験を伝えようと努力している」

    「クライアントの内的参照枠をセラピストが理解する」ことと「クライアントの気づきををセラピストが体験する」ことは異なることであるようにも思えるが、不可能であるという点では共通点がある。

    共感の説明的文章においても、「クライアントの内的参照枠であるようにセラピストには思われることを、理解する」とか「クライエントが自分の体験について意識しているとセラピストには思われることを、正確かつ共感的に理解する」とか、修正を入れることは可能であったはずだ。

    こうした自己言及性(セラピストに思われることをセラピストが理解する)を避ける目的があるのかもしれない。

    しかし第六条件では可能だった修正を、なぜ第五条件では入れられないのだろう?

    単純に考えれば、次のように言うのが妥当であるように思える:「クライアントの体験を直接観察することは不可能であり、その参照枠がそのクライアントのものであるのかという判断も、そのクライアントではないはずのセラピストには不可能である。したがって正確に言うならば、クライアントとのコミュニケーション(それはノンバーバルなものも当然含んでいる)を観察したセラピスト、ないし観察者たち(クライアントも含む)が、『妥当である』とみなすことができる解釈を、操作的定義を用いて成し遂げることを目指す」

    この点を念頭に置いて、読み進めることにする。


    私訳:

    態度というものは、直接的には知覚されえないので、いくらかより正確に言うならば、セラピストの行動やことばが、セラピストがクライエントをある程度受容し理解していることを意味するものとして、クライエントによって知覚されている、ということになろう。


    第三段落:

    An operational definition of this condition would not be difficult. The client might, after an interview, sort a Q-sort list of items referring to qualities representing the relationship between himself and the therapist. (The same list could be used as for Condition 3.) If several items descriptive of acceptance and empathy are sorted by the client as characteristic of the relationship, then this condition could be regarded as met. In the present state of our knowledge the meaning of "to a minimal degree" would have to be arbitrary.

    Qテクニックについて。

    ここでは第三条件、つまりセラピストの「一致」の測定方法と同じである、ということが述べられている。

    ますます、「観察者(クライエントを含む)の見解とセラピストの見解の一致度によって、セラピストの行った観察の妥当性が測定される」ということになるだろう。

    いずれにしても、クライアントの内的状態がどうあれ――それがクライアントにとってのっぴきならないほど重要なものであることは疑いがないとしても――コミュニケーションを行為に縮減して観察可能な単位にしたものを、観察者が観察し、再びコミュニケーションに差し戻す、というプロセスに妥当性を置くことになる。

    つまり、「テレパシーがセラピーには必要である」という「強い主張」をしているのは、「共感」(=第五条件)に関してのみであるようだ。


    私訳:

    この条件の操作的定義は難しいものではなかろう。クライエントとセラピストとの関係を表す質について述べているQ分類項目リストを、面談後にクライエントが分類してもよいだろう(第三条件に用いられるのと同じリストが使用されうる)。もし受容と共感を記述するいくつかの項目が、その関係の特徴としてクライエントによって分類されるのであれば、この条件は満たされているとみなされうるだろう。我々の知見の現状では、「最低限度」という言葉の意味は、恣意的なものにならざるをえない。


    ダイエット

    (2月22日分)

    402日目。

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