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    構造派(ミニューチン):家族療法(2)


    Pasta
    使用機種
    E-PL2
    使用レンズ
    M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8
    絞り値
    F2.8
    シャッター速度
    1/60秒
    ISO
    800
    露出補正
    +0.0EV
    撮影日時
    2012/01/10 20:21:08



    構造派(ミニューチン):家族療法(2)

    おととい、「システムズ・アプローチの基礎」と、それから少しだけ「多世代派」についてまとめたので、今日は「構造派」について、まとめる。

    長いので、前後編に分けるかもしれない。


    以下、だいたい、というか全部、『家族心理学事典』からの引用。

    引用者が部分的に強調するかもしれない。

    構造派家族療法 structural family therapy(ミニューチン Minuchin, S.)

    アメリカのフィラデルフィア・チャイルドガイダンス・クリニック(PCGC)でミニューチンがさまざまな家族や研究者たちと共同でつくり上げた家族療法の一派である。

    子どもの情緒不安定、不登校、非行、夜尿、神経症、抑うつ、自殺未遂、薬物嗜癖、家庭内暴力などさまざまな短期的かつ現実的な解決に威力を発揮している。


    構造派といわれる由縁は、彼らの治療スタイルを説明するときに、家族との関係(交流パターン)を線で表したり、家族間の境界線を重要視することからきている。

    家族構造とは、複雑な人間関係を距離という概念でとらえたものである。

    複雑な人間関係を理解する上で役立つ概念に「境界線(boundary)」「提携(alignment)」「権力(power)」がある。

    実際の面接治療においてどの概念を重要視するかは、セラピストが家族のもつ問題点をどのように把握するかで異なってくる。

    構造派家族療法では個人の病理は家族の構造上の問題、すなわち家族メンバーが織りなす人間関係の反映だと考えられる。

    したがって治療の焦点はこの三つの概念のどれかに働きかけ変革を促すことに置かれる。


    ただ、ミニューチンの面接では、家族の構造をすべてそれで説明している、というよりはむしろ「複雑な家族をわかりやすく説明するために、三つの概念をツールの一つに使っているに過ぎない」(福田俊一)

    つまり、家族を理解する上で、構造理論にとらわれすぎるのではなく、家族の実体をつぶさに観察することの大切さをミニューチンは教えている。


    構造派の面接室は、部屋の中にはリトグラフのような絵が一つかけてあり、あとは落ち着いたシンプルな色合いである。

    どちらかというと、ソファがあったり、本棚が並んでいたり、といった書斎のような面接室とは程遠く、非常にシンプルな部屋の構成である。

    また、なくてはならないのが壁一面のワンウェイミラーである。

    このミラーを隔てて電気を暗くすることのできる観察室があり、そこから面接室の様子を細かく観察することができる。

    共同治療者たちが作戦会議をしたり、家族療法のトレーニングを受けているひとたちが、家族の様子を観察し、セラピストの動きから家族療法を学ぶということがよく行われる。


    構造派家族療法の最大の特徴は、実際に家族の行き詰まった交流パターンを「今、ここで(here & now)」家族が抱えている問題に課題を与えて、セラピストの前で演じてもらうエナクトメント(enactment)の技法である。

    例えば、「子どもがいうことをきかないんです」と母親が訴えたとする。

    セラピストが「では今ここで、子どもに言うことを聞かせようとしてみてください」と、家族に課題を与える。

    目の前で展開する母と子のドラマを観察しながら、家族がこの問題を扱いやすくなるような説明を加える。

    例えば「言うことを聞かないんではなくて、お母さんにかまってほしいんですよ」と。

    この治療技法は家族療法の第二の特徴でリラベリング(re-labeling)という。


    そして、家族が「子どもを何とかしようと思うがうまくいかない」といった、行き詰まりのドラマを目の前に出現させ、家族に自分たちの動きを認知させる。

    そしてセラピストが「これが問題ですね」と確認する中で、この行き詰まりに関する今までの道筋とは別の道筋(「こうすればここから抜けられるかもしれない」という変化)をセラピストが演出してゆくのである。

    このような演出もまた、構造派の特徴である。


    とくにミニューチンは、「治療の最高の演出家」と呼ばれ、家族の問題点を素早く見つける鋭さ、次いでドラマティックな介入により家族の構造をあっという間に変えてゆくさまには誰もが目を見張らされる。

    彼はまた、ときにはショッキングでさえあり、家族にある見方を提示して、「これがなぜあなたに解決できないのか」と迫っていったりもする。

    彼の比喩のうまさ、その問題にぴったりと当てはまったレッテルの貼り方、そして家族にハッと思わせるような問題提示のしかたや納得のさせ方など、このあたりが見事である。

    また彼は、キックアンドハグ(kick & hug)ということがとてもうまく、かなりきついことばを家族に投げかけたりもするが、そのすぐ後で必ず温かいフォローが続いたりもする。

    また、面接室にいるいろいろなひとたちとの力関係、例えば、「自分についてきてくれるかどうか」といったことにたえず注意を払いながら微妙な動きを見せていた。

    家族全員を協力者とするための彼のこころにくいばかりの配慮は、構造派ならではの手腕である。

    そして、親たちが当初「子どもの問題」ととらえていたことについて、「夫婦の連携と非常に強くかかわりがある」というところへ少しずつ、自然な形で話を進めてゆきながら、結果として家族の構造に変化を起こすのである。


    構造派家族療法は、神経性食思不振症の治療に関して86%の治癒率を報告するなど、心身症の治療でもアメリカ心理療法界の信頼を集めている。

    現在日本でもこの症例は急激な増加を示しており、全国的な学校調査によると女子高生の200人に1人が過食症にかかっている。

    それだけにこの治療方法が注目されてきている。


    ここで、ミニューチンによる神経性食思不振症のケースを紹介しよう。

    拒食症の本人と両親が面接室に座っている。

    面接が始まっても家族の中では問題がなかなか表面化せず、「この子が病気です。家族は何も問題がありません」というように流れてしまいやすい雰囲気である。

    それをうまく表面化するためにランチセッション(面接室でセラピストと家族が一緒に食事をとる)という技法が導入される。

    なかなか食べようとしない本人に「ご両親が力をあわせ食べさせてみてください」という課題を与える。

    むりやりに口に押し込もうとする両親に対し、はき捨ててまでも食べようとしない子どもの「食べない」という行為を、「親に管理されることをいやがって食べない」と意味づける。

    食を拒否することは子どもの唯一の自己主張であり、またそうせずにはいられなかった家族構造のゆがみへと問題の焦点を移行することに成功した。

    その後の治療は両親の「私たちも治療の対象」という認識の変化で、家族に構造的な変化が起こったのはいうまでもない。


    同盟 alliance

    同盟/提携/連合は同義的用語。

    グループや家族内での二人またはそれ以上のメンバーの結びつきで、他のメンバーに対抗した同盟をつくりだすこと。

    同盟はウィン(Wynne, 1961)によって導入された概念。

    ヘイリーは「連合」は第三者に対抗する共同行動のプロセスで、「同盟」は二者が第三者とは分かちあわない共通の興味を共有することであるという。


    家族内で連合や提携が世代をこえて起こると、世代境界を弱め、家族階層を乱し、硬直した三者関係(Minuchin, S. 1974)、ひねくれた三角形(Haley, J. 1967)、病的三角関係(Bowen, 1976)などの病的な関係を生み出すといわれる。

    夫婦の間の葛藤を回避するために母親が一人の子どもと世代交差的連合を作り、父親に対抗する場合である。


    連合は病的な関係をもたらすだけではない。

    子どものしつけや家族内の規則の決定に際して両親間で連携し、両親の連合が確立していることは家族が健全に機能するのに関係するという(Lewes, et al., 1976)。


    連合は治療的に家族を再構造化するために活用される。

    セラピストが意図的に一人のメンバーと連携し、固着した家族のバランスを崩し、サブグループの境界を明確にしたり新しくしたりする肩入れ技法バランス崩し技法など(Minuchin, 1981)。

    治療者が気づかずに両親や夫婦のどちらかの一人と連合することがあるので注意を要する(Haley, 1976)。


    纏綿状態 enmeshment

    家族がシステム全体として、あるいは、サブシステム間や個々のメンバー間に不明瞭で曖昧な境界(boundary)をもっている場合をいう。


    このような家族の場合、問題解決をするに当たって、誰がどのような役割を果たすかがはっきりしておらず、家族メンバーが互いに他のメンバーを巻き込み、相手に振り回されるということが起こりやすくなる。

    したがって、ある一人のメンバーの不安や葛藤や問題が、すぐさま他のメンバーや家族全体に飛び火してしまう。

    また、家族メンバーは、意識的あるいは無意識的に、家族への所属感や忠誠心が強いが、そのために個々の自律性や主体性の発達が阻害されてしまう。


    例として、子どもが幼い時期の、母親との関係は、境界が曖昧で融合的であり、纏綿性が強いのが通常である。

    しかし、これが極端になり、母子が密着して父親を疎外するような境界が形成されると、子どもの情緒発達は阻害され、自律性や自主性が育たなくなる。

    また、母子はともに相手の言動に対して過敏に反応しあうようになり、たとえ関係が不安や葛藤に満ちたものであっても、そこから分離することが困難になる。


    纏綿状態とは反対に、家族メンバー間の境界が極端に硬直しており、メンバー間の交流や相互支持がない家族を、遊離状態(disengagement)という。


    境界 boundaries

    システムやサブシステムを区切るための抽象的概念である。

    これは、家族成員がどのようなしかたで相互作用をしているかによって、空間的関係として規定される。

    誰と誰がどのシステム内でどのようにふるまうかを規定する隠れたルールによって、境界は設定される。

    境界や境界が規定するサブシステムは、ときとともに変化し、外的な状況によっても影響を受け、変化する。

    境界の特徴としては、固いか柔らかいか、曖昧か閉鎖的、あるいは開放的かなどの分類がなされている(Minuchin, S., 1974)。


    サブシステムの間の境界が明瞭な家族は、いわゆる正常に機能している家族と理解される。

    例えば、両親サブシステムと子どもサブシステムの間の世代境界が明瞭な場合など。

    ただし、両サブシステムの間のコミュニケーションは断絶せず、十分に維持されていることが前提とされる。

    境界の曖昧な家族はあらゆる問題に関して、すべての成員が引き込まれてしまい混乱が生じる。

    後者の特徴をもつ家族は、もつれ家族(enmeshed family)と呼ばれる。


    例えば、分裂病の子どもが小康状態の時に、どうして父母の寝室が別なのかと母親に尋ねたとする。

    母親は、「あなたの看護をするためよ」と応える。

    もつれ家族では、家族内での情報があいまいで過多なために、かえって混乱状態に陥りやすい。

    逆に境界が極度に固い場合には、遊離家族とよばれ、家族は互いを支えあうことをしない。

    むしろ、家族外に自分を心理的に支えてくれる人物を求めることが多い。

    もつれ家族の精神病に対し、遊離家族では非行が多く見られる傾向にあるとされている。

    これは、家族内で情緒的に満たされることが少ないために、家庭外の非行グループなどで擬似的な家族関係を形成し、かりそめの所属の安定感を得ようとしているようだ。

    ミニューチンによれば、境界の差異は質的なものではなく、程度の差と考えられており、大多数の家族は明瞭な境界をもっていると理解してよいだろう。


    境界についてはもう一つの機能的な障害を想定することができる。

    図a〔省略〕に示すような機能的な家族構造では、境界によってそれぞれのサブシステムの機能を保っている。

    しかし、図b〔省略〕のように、子が父親の代行をする場合には、非機能的となる。


    亀口(1997)は、境界の概念をさらに拡張し、境界を挟むサブシステム同士の相互交流にも着目するために「境界膜」(membrane)という概念を新たに提唱した。

    その理論的根拠としては、境界自体の属性に差異があるというよりも、境界を挟むサブシステム相互の力、親密度、そして関心度の差異に対応する「透過膜」としての役割があると考えたからである。


    ダイエット

    (1月29日分)

    378日目。

    体重65.3kg(17.2kg減)。体脂肪率18.7%(8.9%減)。



    ぼくのダイエット法はコチラ(ようはケトジェニックダイエットを認知行動療法でサポートしたものです)



    ダイエット指南のメルマガ発行してますダイエットの教科書@まぐまぐ



    認知行動療法ダイエットプログラム主催しています(ぼくも実践しているケトジェニックダイエットの指導もしています)


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