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    日々の断想

    ダイエット

    214日目。

    体重64.2kg(18.3kg減)。体脂肪率18.8%(8.8%減)。



    断想


    SAD(社会不安障害)当事者の方のブログで、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」について触れられていた。

    ぼくもSADと格闘した経験があり、薬で完治したという経験がある。

    薬でSADの症状自体は消え去ったけれど、罹患中は実質上、社会生活からは追い出されていたため、通常身につけているべきソーシャルスキルは手つかずのまま、未学習の状態だった。

    したがってまともな人間関係を構築することができず、自己実現を図ることができない。

    したがって生活の質も上がらなかった。

    じつをいうと、SADのときはSADであるがゆえに病院の門をくぐることもできず、何年も放置したまま、生活の質も下がり、結局うつ病になってから、ぼくは病院に行くことになった。

    うつ病にSADが先行しているため、すでに「抑うつと恐怖のスパイラル」はジェットコースター状態で、「完治」と言えるまでには数年かかった。

    といっても、数年かけてじっくりと治した、というより、とある薬に出会うことで、突然それまでの苦しみがすべてきれいさっぱり消えてくれた、というプロセスだった。

    数年かけて、その薬に出会うことができた、ということになる。

    ともあれ、抑うつ感情も、対人場面での過度の緊張も、消えた。

    が、上述のように、症状が消えただけでは、「取り逃してしまった生活スキル」は戻ってこない。

    生活の質はあいかわらず低いままだった。

    これじゃまずい、と考えて心理療法にヘルプを求め、結果的に、今、自分自身が心理療法家になってしまった、という経緯がある。


    「わたモテ」の主人公・黒木智子はSADだろうか?

    もし彼女が病院でSADを訴えたら、SADの治療方針で治療を受けることになるだろう。

    しかし、ぼくも好きなこのアニメを見ていて、彼女がSADであると断言することはぼくにはできない。

    それはひとつには、ぼくには医師免許が無いため診断名を下すことができないということと、もうひとつには、自分の患者でもないのに診断を下すことは「モラルハラスメント」である、ということがある。

    マンガ・アニメのキャラクターへの「ハラスメント」なんてあるのか、という問題もあるが(これも非実在青少年問題か?)、多くの視聴者が「あるある」「これって、私そのもの」と感じているとしたら、やはり診断名を出すことはできない。

    上記リンク先の執筆者が、当事者意識から、SADという社会問題に注目が集まり、まだ捕捉されていないSAD予備軍に救われてほしい、と考えていることはよく分かる。

    紹介している海外のブロガーの記事でも、SADだと指摘している(ぼくが医師でも、まずSADを疑うだろう。しかし、診断名を出すには、かなり込み入った手続きが必要だ)。

    ぼくの考えでは、黒木智子は、SADという単一の障害を抱えた、たんなる病人ではない。

    むしろ、「非コミュ」とか「コミュ障」(これは診断名のコミュニケーション障害とはあまり関係がない)とかいった日本のサブカルチャーの文脈で、「あるある」「これってまさに俺達の事だよな」と思わせるような、シンボリックなキャラクターであるようにみえる。

    ニコニコ動画でコメント付きで観ていると、かならず「黒いちびまる子ちゃん」というコメントが流れてくるのだけれど、これがまさに当てはまっていると思う。

    すなわち、ちびまるこも、「あったあった、あの時代」「私もこんなだった」という「共感」を得ることで大ヒット作となったのだが、どの視聴者も、ちびまるこそのものではない。

    ちびまるこの中の、自分に当てはまる部分に共感し、当てはまらない部分は、そもそも目に入らない。

    同じ構図が、黒木智子の場合にも当てはまる。

    視聴者の誰もが、黒木智子のような青春時代を送っているが、誰も黒木智子のようには行動しなかった。


    DSMという診断基準は、病因ではなく症状による分類法である(その点が画期的だった)。そして、DSMによる診断名は、障害disorderの分類であって、疾患illnessの診断名ではない(前書きに「障害は病気ではない」と明記されている)。

    おそらく、黒木智子には、病因論的には、さまざまな、複合的な要因が混在している。

    だから、もし、「わたモテ」を見て、「私もコレだ。私も病気なんだ。ということは、この生きづらさは、治せるものなんだ」と希望を持ったとしたら、すぐにSADという診断名に飛びつくのではなく、有能な医師としっかり話し合って、自分のどういう部分が生きづらさになっているのかを、伝達して欲しいと思う。

    もちろん、「伝達する」ことに困難を抱えていることは、ハードルになるだろう。

    そして、「有能な医者」など、ほとんどみあたらない、という日本の現実も、ハードルになるだろう。

    しかし、とりあえずSSRIかSNRIと、BZP系抗不安薬を入手して欲しい。

    それで「起き上がれないほどの苦しみ」をやわらげることができたら、心理療法を試して欲しいと思う。

    症状が消えたからといって、あなたの苦しみは改善しないだろうから。


    第5話まで視聴した時点で、ぼくの考えでは、黒木智子には、SADの傾向だけでなく、他に疑うべき要素がたくさんあり、さらに、精神科(日本の、心理療法を使用しない、精神科医によってなされる治療)の領域ではいまのところどうしようもない「病」を、やはり複合的に抱えている。

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