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    【俳句】自句(2016夏)

    青葉

    きょう、ぼくの俳号(斎藤秀雄)でググったらぼくの句を読めるのか、と質問を受けて、(雑誌・新聞等掲載分は)Twitterに全部投稿しているので読めるはず、と答えたのだけど、俳号を添えて投稿していなかったので、検索にひっかからなかった。

    というわけで、去年の11月ぐらいから当記事執筆時点までの「他選」俳句を(つまり、選者がいる媒体へ、投稿して、とっていただいた分を)列挙したい。


    • 秋深し隣に住むは霊媒師 斎藤秀雄

    メールマガジン「夜の秘密結社」Vol.15、第6回「真夜中の宴」(選者:堀本裕樹)にて佳作。初めて「ひとにとっていただく」という体験をしたのがこの句。作句日をみると(2015.11.14)となっている。

    この句は松尾芭蕉の《秋深き隣は何をする人ぞ》のパロディになっているのだけど、作ったときは芭蕉の句は念頭になかったような気がする。


    • 冬の月樹海に響くラジオかな 斎藤秀雄

    同じく「夜の秘密結社」Vol.19、第7回「真夜中の宴」。秀逸にとっていただいた。これに付いた堀本氏の選評があまりにも見事で、愕然とした。脳の中を覗かれているのではないかと思った。この体験のせいで俳句がやめられなくなったといっても過言ではない。作句日は(2015.12.23)。


    • 枯野ゆく床屋が鋏落しけり 斎藤秀雄

    同じく「夜の秘密結社」Vol.21、第8回「真夜中の宴」。秀逸。2回続けて秀逸にとっていただいとことに驚く。これでダメ押し(で俳句をやめられなくなった)。「枯野」と「鋏」は「付き過ぎ」かな、と思っていたのだが、堀本氏は「床屋」に注目してくれた。「鋏」についても、時間的経過をそこに見出してくれていて、「堀本さん、頭良すぎだろう」と思った。作句日は(2016.02.15)。


    • 眼の青き児ら持つ赤き風車 斎藤秀雄

    『俳句』(角川)の6月号掲載(嶋田麻紀選)、佳作。作句日は(2016.01.04)。じつをいうとこの頃、「自分が好きな句」と「ひとが好きであろう句」のギャップに苦しんでいた(たぶん今でも苦しんでいる)。俳人あるあるかもしれないが。そういう時期には投句行為を辞めるべきなのかもしれないが、何か飢えのようなものがあった。とはいえこの句は、そんなに嫌いでもない。句会で他の人が出してきてぼくがとるかと言えば、とらないが。角川『俳句』に掲載されたのは素直に嬉しかった。


    • 綿津見へ誘ふ雲雀と別れけり 斎藤秀雄

    「夜の秘密結社」Vol.24、第9回「真夜中の宴」、佳作。作句日は(2016.03.01)。佳作にとっていただいておきながらこんなことを云うべきではないとは思うが、「ああ、ビギナーズ・サービス・タイムは終わってしまったのだ」と思った。「夜の秘密結社」は5句まで同時投句できるのだけど、ぼくはその中に、例の「ひとはこういうのが好きなんだろう」という保守句を入れてしまった。第三者の審級。の侵入。この句がそう。


    • 我は缶なり頭ごと開くなり 斎藤秀雄

    同じく「夜の秘密結社」Vol.24、第9回「笑う575」(選者:又吉直樹)、なんと「秀逸」。作句日は(2016.03.12)。お題は「缶」。又吉さん相手に、「笑える」ものを、なんぞハードルが高すぎだろう、絶対入賞は無理だ、と思っていただけに、驚いた。

    「面白いことを書いてやろう」と思って面白いことを書くことは、ぼくにはできない。「どうだ、こんな発想、面白いだろう」と考えている自分が恥ずかしくてたまらなくなってしまう。だから、「笑う575」に送る句は、ひとまず、有季定型で「普通の・自分らしい俳句」をたくさん書くことにしている(というか、題詠のときはどこの媒体でも100句ぐらい書く)。その中から、「これは読みようによっては笑いに通じるかもしれない」というものをオーディションする、という方法をとっている。でもこの句、無季ですね。


    • 雲雀ゆけおれもぼちぼちゆくだらう 斎藤秀雄

    『福島民報』2016年5月22日朝刊掲載。永瀬十悟選。作句日は(2016.03.24)。今思えば「ぼちぼちって言いたかっただけちゃうんか」とセルフツッコミが心に生じるが、永瀬氏は「ぼちぼち」がいい、と言ってくださった。ありがたい。


    • ミニシアター閉館なりし風薫る 斎藤秀雄

    『NHK俳句』7月号掲載。堀本裕樹選、佳作。作句日は(2016.03.22)。この閉館したミニシアターは、渋谷のシネマライズ。苦しんでるなあ。


    • 麦秋に骨が泳がうとしてゐる 斎藤秀雄

    同じく『NHK俳句』7月号掲載。夏井いつき選、佳作。作句日は(2014.04.05)。これは「自分が好き」と「ひとが好き」が一致する幸運に恵まれた。佳作で喜ぶなと言われそうだが、これが活字になって嬉しかった。本当に。


    • 金色が動く美貌の雨蛙 斎藤秀雄

    『NHK俳句』は当然テレビ連動のテキストなんだけど、第4週は初心者向け講座「俳句さく咲く!」(選者:小島健)。で、初めて「入選」。つまりテレビに映った。6月26日放送。思わずテレビ画面をスマホで接写してしまった(笑)。作句日は(2016.05.08)。「金色」は「こんじき」と読む。何を気取ってるんだ、と思うかもしれないが、「美貌」とまで言っているのだから、やはり、ここは「こんじき」で正解なのだ。と思っている。小島先生ありがとう!


    • プードルの鼻は鋭角花蜜柑 斎藤秀雄

    松山市の「俳句ポスト」第145回(夏井いつき選)、「人選」(天・地・人・並とある)。作句日は(2016.04.25)。とられた理由がわかりませんが……(「鋭角」って言いたかっただけちゃうんか~とセルフツッコミをしたくなる)。写生かつ取り合わせ、ということだろうか(ぼくは「取り合わせ」ではなく「配合」のつもりで俳句を書いている)。

    季題が「蜜柑の花」で、これに「プードル」を取り合わせた理由は、佐藤文香編『俳句を遊べ!』(小学館)で紹介されていた「打越マトリクス」を試してみたかったから。

    打越マトリクスのやり方:中央に「蜜柑の花」と書く。周囲に自由連想でキーワードを書く。さらにそのキーワードから外周に向かって、自由連想でキーワード(2周め)を書く。そのとき、内側のキーワード(ここでは「蜜柑の花」)とは関連がないようにする。さらにそのキーワードから外周に向かって自由連想(3周め)。中央のキーワードの周囲(1周め)のキーワードを抹消する。2周め・3周めのキーワードのうち、季語であるものを抹消する。残っているキーワードと中央の季題を取り合わせる。

    で、この句のばあい、「蜜柑の花」→「接ぎ木」→「飴細工」→「プードル」という系列があったので、プードルと蜜柑の花を取り合わせてみた。ということになる。


    • プードルの舌跳ねてゐる花蜜柑 斎藤秀雄

    『福島民報』2016年6月5日朝刊掲載。永瀬十悟選。上と同じく、「蜜柑の花」と「プードル」の取り合わせ。作句日は(2016.04.25)。ちなみに「打越マトリクス」で作るのは今はやっていない。めんどくさいから。


    • 首のなき人首川に蜻蛉生る 斎藤秀雄

    「俳句ポスト」第146回、並選。「人首川」は「ひとかべがわ」で、岩手県の川。アテルイの甥の伝承がある。作句は(2016.05.07)。俳句ポスト不遇の期間が今に至るまで続く。


    • 春の夜やしづかな家の肉置場 斎藤秀雄

    「夜の秘密結社」Vol.27、第10回「真夜中の宴」、佳作。作句日は(2016.05.11)。前回、保守句で佳作にランクダウンしてしまった反省から、この回は自分に正直に、自分が好きな句を厳選して、いつもの倍ぐらい書いて、投句した。結果、力み過ぎになった。でも、好きな句であるのは確かなので、反省しすぎるのもよくないのかしら。


    • 枕ごと日焼止め塗る鉄仮面 斎藤秀雄

    同じく「夜の秘密結社」Vol.27、第10回「笑う575」。2回めの秀逸。驚いた。作句日は(2016.05.12)。季語は「日焼止め」。イメージしたのは「スケバン刑事」(古い)が鉄仮面被ったまま日焼止めを塗って、枕がベタベタじゃん、という光景。茶の湯でいう「冷え」、芭蕉のいう「しほり」を念頭に書いてみたのだが(ぼくの書く俳句はおおむね「冷え」「さび」を美意識にしている)、書き終わって「これ、ギャグじゃん」と思い、「いや、笑う575だからギャグでいいんじゃん」と思い直した。又吉さんは「ホラー」として読んでくださった。ありがたい。


    • ごきぶりのじつと見つめる死者縁者 斎藤秀雄

    「俳句ポスト」第147回、並選。作句日は(2016.05.20)。俳句ポストで浮かび上がれない日々は続く。


    • 冷麦やたしかなるものなかりけり 斎藤秀雄

    「俳句ポスト」第148回、並選。作句日は(2016.05.28)。「や・けり」を使っていることからわかるように、中村草田男の《降る雪や明治は遠くなりにけり》を意識しつつ、パロディにならず、草田男の「降る雪」を超える句を、と意気込んで作った句。しかし並選ということは、「だめですよ」ということなのだろう。ぼくにとっては、「降る雪」より良いと思う句。



    いまのところ、以上。他に、NHKラジオ「ひるのいこい」5月30日放送分で、「NHKラジオ・文芸選評」に送った句が読まれたそうなのだが(父がたまたまカーラジオで聞いていた)、どの句かは分らない。佳作に入った句が読まれることがあるそうなので、『NHK俳句』テキストの8月号に載ると思う。



    ちなみにぼくが俳句を作るようになったきっかけは、正岡子規『俳諧大要』を(漱石との関連で)読んだことである。

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