Entries

    孟郊「再下第」

    孟郊

    今日図書館に返す予定だった本を、ペラペラめくっていたら、孟郊(もうこう)の「再下第」という題の漢詩が載っていた。

    あまり漢詩について詳しくないけれども、科挙試験に落ちたことを書いた詩(唐代だけで100ぐらいあるみたいだ)として、この人のこの詩が引用されるのをよく目にする気がする。

    今日が返却期限だったので、タイトルだけメモして、本は返した。

    さっきググったら、日本人が書いた記事と、中国の百度百科で、使用されている漢字が異なっていたが、次のような五言絶句だ。


    再下第 孟郊


    一夕九起嗟

    夢短不到家

    兩度長安陌

    空將涙見花

    (孟郊 再下第 詩詞世界 碇豊長の詩詞:漢詩 Meng Jiao)

    返してしまった本の中で、どのように訓読していたのか、忘れてしまったが、ざっくりと現代語訳するなら、次のようになるだろうか:


    また試験に落ちた 孟郊


    一晩に九回も目が覚めては嘆く

    夢が短すぎて、家にまで辿り着かない

    受験で長安の街路を二回わたったことになる

    むなしく涙目で花を見る


    訓読は、まあ、間違ったら恥ずかしいので(笑)引用元のを参照してほしいけれど、単語を確認してみる。


    「再」ふたたび。かさねて。もう一度。

    「下第」(かだい)試験に落ちる。落第する。

    タイトルは「再び下第す」と訓読。


    「一夕」(いっせき)一晩。「夕」は夜で対義語は「日」。

    「起」起きる。目を覚ます。

    「嗟」なげく。なげき。ああ。

    第一句の訓読は、リンク先のように「一夕 九たび起きて嗟き、」とするのがふつうか。「嗟」を「ああ。」と読んで「一夕 九たび起く。ああ。」とかはどうか。


    「到」いたる。ゆきつく。とどく。

    「家」いえ。うち。

    第二句の訓読は、リンク先のように「夢は短くして 家に到らず。」とかあるいは「夢短く 家に到らず。」あまり変らないけど。


    「両・兩」ふたつ。ふたたび。

    「度」わたる。こえる。ど(一度、二度)。…回。リンク先に「くらす」の意味があったが、『角川新字源』には見当たらず。

    「長安」唐の都・長安。

    「陌」みち。まち。街路。「度」を「わたる」ととるなら「みち」、「くらす」ととるなら「まち」かなあ。

    第三区の訓読は、「度」を「わたる」ととって、リンク先のように「兩び度る 長安の陌、」とするか。「くらす」ととって「兩び長安の陌にて度す、」とかはどうか。

    ちなみに科挙の試験は数日間にわたり、独居房のようなところで隔離されて受験するので、試験期間中に町を歩いた、ということではないし、そもそも試験結果がわかった状況の詩なので、試験は終わっている。


    「空」あな。うつろ。むなしい。むなしく。いたずらに。

    「將・将」再読文字の「将」(まさに……せんとす)だが、ここは「以」と同じく、もって。もちいて。

    第四句の訓読は、「空しく涙將て 花見る。」とか。


    まとめると。

    再び下第(かだい)す 孟郊


    一夕(いっせき) 九たび起く。ああ。

    夢短く 家に到らず。

    兩(ふたた)び度(わた)る 長安の陌(みち)、

    空(むな)しく涙將(もっ)て 花見る。


    主に参考にしたのが『角川新字源』。



    関連記事
    スポンサーサイト
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
    http://orangeprose.blog.fc2.com/tb.php/1632-19eaea8a

    トラックバック

    コメント

    コメントの投稿

    コメントの投稿
    管理者にだけ表示を許可する

    Appendix

    counter

    FC2ブログ

    ブログ

    リコメンド




    ノートンインターネットセキュリティ


    ブログランキング

    QRコード

    QR

    メールで更新を受け取る



    提供:PINGOO!

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる