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    【前編】受験生のための参考書・問題集ガイド、その他のライフハック

    steps shadow

    この記事は、この先、定期的にアップデートしていく予定なので、パーマリンクをブックマークしておいて欲しい。

    対象読者は、高校生または大学受験生。それともちろん、その保護者や周囲の人たちにも読んでもらいたいと思って、この文章を書いている。

    そして「そこそこの、まともな大学」を目指している受験生であることを前提にしている。「そこそこの、まともな大学」とは、就活のときに学歴フィルターではねられることが少ないだろう、というレベルの大学のことだ。


    はじめまして、の方のために、自己紹介をしておこう。ぼくは現在、とある高校で非常勤講師をしていて、大学受験生の全教科を担当している。大学院生だったときに、個別指導の塾講師をしていた。のべ6年半講師をして、小学生から大学受験生まで、たくさんの生徒を担当した。

    個別指導の塾では、生徒ひとりひとりにテイラーメイドのカリキュラムをつくる(「テイラーメイド」というのは日本語で言う「オーダーメイド」のこと。フランス語で言う「プレタポルテ」)。だから、今の高校でも、原則的には、「ひとりの受験生にひとつのカリキュラム」の方針で個別カリキュラムをつくっている。カリキュラム通りには、学習は進まないのがふつうだ。だから、ときどき生徒とミーティングをして、カリキュラムを練り直す。

    「原則的には」というのは、あるていど「この教科で、いまこのレベルなら、この教材を、いつまでに」というようなパターンはある、ということである。すべての学生に適用できる唯一のカリキュラムなどというものは存在しないが、タイプ別の処方箋を組み合わせることでカリキュラムを考える、というケースが、講師経験とともに増えてくる。


    ぼくが受験生だったときに、どうやっていたのかについては、折にふれて書いていくことにする。



    ここで紹介するのは、今担当している、ある受験生のカリキュラムを、ちょっとだけ普遍性を持たせて、つまり、より多くの受験生にも適用できるように、書き換えたものだ。

    なぜそうしなければならないかというと、ぼくが直接担当できる生徒に適用できることと、そうでない、ぼくが顔も名前も知らない誰かに適用できることとは、自ずと違ってくるからだ。

    とくに英文法なんかは、どのポイントで躓いているのか、呼吸が聞こえてこないと、見抜くことができない。


    まず、受験勉強全般にかんする考え方や計画の立て方と実施、それからちょっとした生活の工夫(これを「ライフハック」という)について書く。

    それから、各教科でどの教材を、どうやって使うかについて書く。

    ただし、これをそれぞれのテキストについて詳しく書いていくと、この記事がとても長くなってしまうから、ここではポイントだけかいつまんで紹介し、各教材についてはそれぞれ別の記事に書くことにした(これを書いている時点ではまだ書いていない)。


    以下の教材解説の部分で、ぼくの手による修正・工夫の部分は「★斉藤オリジナル」と書くことにする。教材にはそう書いていないけれど、ぼくが生徒と話し合う中で、こう使ったほうがいいのではないか、と結論づけた部分は、教材にしばられずに、自由に改変して使っている。

    ではまず受験生生活を送るうえで最も大事な「計画と実施」から行こう。


    計画と実施、考えていいことと、いけないこと

    1. 『ゴールから発想する合格手帳(空・桜)』(学研)

    はじめに紹介する『合格手帳』に、この記事では最も文字数を使うことにする。

    受験勉強を始める前に、まずこれを入手すること。

    大学への入学手続きが済むまで、この手帳を中心に生活すること


    『合格手帳』のポイント
    • 「桜」と「空」の2種類のデザインがある。内容は同じなので好きな方を使う。
    • まず「ゴール」を決める(「志望校合格」に決っているが、そのためにはどの教科をどのレベルまで上げる必要があるのか。各教科別のターゲットを見定める)。
    • 手帳のガイダンスにしたがって序盤・中盤・終盤の計画を立てる。
    • 月間目標・計画をマンスリースケジュールに、日々の計画と実施結果をウィークリースケジュールに書き込む。
    • マンスリーのカレンダー部分に「やったこと」を書く(★斉藤オリジナル)。[例:青チャートIA p.12~20、速単必修5初回、3・4の復習]
      • ウィークリーにも「実施結果」を書くが、それは「計画」との違いを際立たせるためのもので、やったことまで書くスペースがない。

    計画の立て方は、『手帳』に書いてある通り。

    まず、どのポイントをターゲットにするか。そこから逆算して、現在地からその地点へ行くのに必要なことは何かを導き出す(現在地も見定めていなければならない)。


    期間を三等分する(序盤・中盤・終盤)。現在が序盤だとして、序盤にやるべきことに、どのていど時間が必要か。時間数を日数で割ると、1日何時間必要か。時間が足りないとすれば、どうやって確保するか。

    その月にやるべきことは何か。その週にやるべきことは何か。その日にやるべきことは何か。それぞれ、何時何分から何時何分までやるか。


    入学手続きをするまで、この手帳の計画に生活のすべてを委ねること。

    ごくごく当たり前のことしか書いていないが、ここまで綿密に計画を練り、じっさいにその計画を実施する、という経験は、もしかしたら、人生で初めてのことかもしれない(社会人は全員毎日これをやっているんだよ)。

    はじめは窮屈に感じるかもしれないが、しだいに、計画というレールにのって疾走するスピード感に快楽を感じるはずだ。速いのだから、気持ちがいいに決まっている。速いのは嫌いで、何十年かかってもいい、というのなら、そうすればいい。1年ぐらいで合格したいのなら、この方法しかない。


    余談だが、ぼくは2年前にダイエットをした。20kg落とした。ぼくは「てっとりばやくない」ことは死ぬほど嫌いなので、3ヶ月で落とすことにした。でも計画は1年分策定した。はじめの3ヶ月で20kg落とし、残りの9ヶ月はその体重をキープすることにした。

    じっさい、その計画通りにいった。

    体重の数値は、まるで気にならなかった。計画通りにやれば、体重は減るに決まっているからだ。何よりも怖いのは、計画通りに進まないことだ。でも、計画から外れそうになるのは、はじめの1ヶ月ぐらいのことだ。なぜか? それまでとは違う生活パターンに入るからだ。環境が変化すると、生体はホメオスタシス(恒常性)という機構を働かせて、元の状態に戻ろうとする性質がある。これは「生活パターン」の変化に対してもそうだし、体重・脂肪の量の変化に対してもそうだ。

    そこさえ突破すれば、あとはレールにのって、自動運転に任せればよい。


    • 計画倒れは避けること。翌日の計画を練る時間は1日3分以内におさめること。

    計画通りに行動するにはどうしたらよいか?

    (1)『手帳』の後ろから、数ページ戻って欲しい。「合格したらやりたいことリスト」がある。これを、日々、充実させていこう。

    • やりたいこと
    • 行きたい場所
    • 欲しいもの
    • フリースペース

    ここに書ききれなければ、メモに書き込んで貼り付けていけばよい(強粘着のふせんがおススメ)。


    (2)(★斉藤オリジナル)自分に褒め言葉をかける。どういうときに褒め言葉をかけるか? 「計画通りに実行したとき」だ。

    ぼくがダイエットを実行していた期間は、毎日寝る前に、翌日の行動計画を、分単位で策定した(何をどれだけ食べるか、ということも)。だいたい、前日のコピペをちょっと修正するだけで済む(受験勉強も同じだから、数パターンをあらかじめ用意しておいて、そのまま計画欄に書き写せばよい)。

    この分単位の行動計画通りに実行できたら、そこで自分に「オッケー!」「グッジョブ!」「よくやった!」「その調子!」と、実際に声に出して言った。これは行動療法でもよく使われる方法で、効果は実証されている。

    ダイエットにチャレンジする人の多くは、「1kg減ったら自分を褒める」みたいにハードルを高くしてしまう。1kg減らすには、通常なら1週間程度かかる。これでは、苦行である(1週間たって、ようやく、自分を肯定してよい、というわけだから)。たいてい、1週間もたたないうちか、1kg減った時点で、「挫折」する。当たり前だ。そんなことが継続すると思う方がどうかしている。バカの所業である。


    (★斉藤オリジナル)自分にかける「褒め言葉」が思い浮かばない? まず、正方形の強粘着ふせんを買ってこよう。できればカラフルなものがよい。そこに

    • その調子!
    • よくやった!
    • すばらしい!
    • オーケー!
    • GJ!

    など、あらかじめマジックで書き込んでおく。それを目につくところに徹底的に貼り付ける。

    重要なことなのでもう一度言っておくと、自分を褒めるのは、「やるべきことをやったとき」であって「成功したとき」ではない!


    考えていいことといけないこと

    『合格手帳』には他にも重要なことが書いてあるから、もう少し解説しておく。

    「はじめに」と第1章、第2章は繰り返し読んでおくべきだ。ここには、おおよそ正しいことが書いてある。気をつけるべきなのは第3章の勉強法と推奨教材だが、これについては後述する。

    『手帳』に書いてあるように、合格者の思考パターンと、不合格者の思考パターンは、対照的である。あなたは合格者のように考えなければならない。「考えていいこと」と「考えていけないこと」が書いてある。これはとてもシンプルだ:


    • 考えていいこと:合格するためにはどうすればいいだろう?
    • 考えていけないこと:落ちたらどうしよう? ほんとうに合格できるのだろうか?

    少し考えれば(考えなくても)分かることだが、「落ちたらどうなる」「合格できるのか」という思考は、答えがない問いである。つまり無駄な思考だ。もしあなたが、未来を見ることができる人間がいると信じる神秘主義者なら、はじめから大学受験などしなければよい。大学は科学的・論理的に思考する学問の場だ。神秘主義に飲み込まれている人間には、大学でやることなど残されていない。神秘主義そのものを対象として学問をするならよいけれど(神秘主義者の哲学者は大勢いる)。

    「合格するためには何をすべきか?」という問いが「良い」のは、ポジティブだからでも、前向きだからでも、プラス思考だからでもない。頭が良くなるからだ。集中力も上がり、記憶力も上がる

    「合格できるのだろうか?」という問いが「悪い」のは、ネガティブだからでも、後ろ向きだからでも(未来を向いているようで、過去の失敗体験に囚われていると言っていいだろう)、マイナス思考だからでもない。頭が悪くなるからだ。集中力も下がり、記憶力も下がる。

    合格したければ、頭を良くしよう。ロジカルに考えれば、こんなに自明なことはないのだが、ロジカルに考えることができない受験生も、多いということだろう。日常の思考パターンから、合格するか否かの選抜ははじまっているのだ


    教材の注意点

    『手帳』は受験生の大きな味方だが、一部信用しないほうがよい部分がある。別記事で詳しく書きたいが、推奨教材に疑問点がいくつかある(だからこの記事を書いているともいえる)。

    ポイントだけ列挙していく:

    • 英語:『合格英単語600』良い参考書だが、クセが強い。序盤に触れるべきではない。「英語がすごく得意な人」が読むととても共感できる。600単語しか覚えなくてよい、という部分にはトリックがあって、派生語は「わかるでしょ?」というスタンスなのだが、それは英語が得意な人(たとえばぼくがそうだ)だからそう思えるのであって、序盤・中盤はとにかく地道な辞書ひきが重要だ。当然『ターゲット1900』のような「単語帳」を使えば不合格が確定する。ここでいう「不合格」は、「まともな、あるていどの大学」に入れない、ことを意味する。「どうでもいい、入学金と授業料と在学年数という投資を一生の間に回収できない大学」にだったら、入れるだろう。もし中盤・終盤にこの単語帳のリストにある単語で身体化されていないものがあれば、すべての勉強を打ち切って、死ぬ気で辞書をよみこむこと。
    • 英語:安河内哲也の著書すべて。各教科、近づいたらアウトな予備校講師が何人かいるが、英語は安河内を使ったら不合格
    • 数学:基本的に、教材は「青チャート」だけでよい。理系の受験生で、不安があるならば、それ以上の教材を加えてもよいだろうが、「青チャート」を反復(最低7周)すれば十分なはずだ。
    • 数学:「青チャート」の出だしで時間がかかるようなら、小学算数・中学数学の理解が足りていない、あるいは計算スピードが遅い可能性がある。『手帳』で紹介されている『小・中・高の計算がまるごとできる』(ペレ出版)はすばらしい。1回ざっと手を動かして解いてみよう。これさえ難しいのなら『新体系 中学数学の教科書(上下)』(講談社ブルーバックス)を読んでみるか、いっそ文転しよう。
    • 現代文:漢字と用語(キーワード)は問題演習をこなしながら身につけていくべきで、序盤にこれだけというのは、ちょっと意味がわからない。
    • 現代文:『田村のやさしく語る現代文』(代々木ライブラリー)は素晴らしいテキストで、「この本に書いてある内容を、全て頭の中にコピー」するべきというのはその通り。しかしこれは序盤にやるべきだ。さらにその上に『船口のゼロから読み解く最強の現代文』(学研)も序盤に「コピー」しておくべきだ。
    • 現代文:出口汪の著書すべて。これも近づいたらアウトの予備校講師。現代文は出口を使ったら不合格
    • 古文:現時点の古文の2神のうちの1人、吉野敬介を紹介しているのはよいが、荻野文子を完全に無視しているのは、なにか意図を感じる。吉野を苦手とする、ガラスのハートののんびり受験生もいるだろうから、荻野との選択を示さないのは片手落ち。
    • 漢文:だいたい『手帳』の教材でいいのだけど、われらが日栄社の「新・ノート」シリーズは外してほしくなかった。
    • 理科:地学が載っていない。文系学生の多くは、センターで地学を選択するだろう。教科書と問題集と過去問だけやればオーケーだが(といっても、地学の過去問がないんだよね、2015年初実施だから)。
    • 社会:『一問一答』中盤にやるから落ちるのである。終盤の、それも試験直前に一気にやれ。
    • 世界史:『青木の実況中継』ぼくが受験生のころから、青木裕司はで、いまだにそうなのだが、序盤には勧められない。クセが強い。私大や2次で世界史が必要な受験生のためのリップサービス(といっても、20年前はこれが標準だった)が多く、アウトラインを固めるのが最優先の序盤に読んでも、消化不良を起こすだけだ。これは中盤~終盤にアウトラインの再確認と肉付けに使うべき。

    とくに気をつけるべき点を列挙した。


    勉強法一般の基本的考え方

    大学受験のための勉強ほど楽なものはない。まず、「やるべきこと」が決まっている。こんな試験は世の中にほとんどない。高校までの定期試験も「やるべきこと」は決まっていたが、高校生活では試験勉強以外にやることがたくさんある。その兼ね合いは難しい。しかし受験生には受験勉強以外にやるべきことはない(運動は定期的にやったほうがよいが、それも受験生生活をのりきるためだ)。

    さらに、書店に行けばたくさんの「ショートカット」が売られている。こういう状況で、大学入試ていどのことに苦労したり、あげくの果てに落ちたりするような可能性は存在し得ない。仮に落ちたり、苦労しているなら、何かが間違っている。勉強のやり方かもしれないし、あなたの「考え方」かもしれない(ちゃんと「合格者のように」考えているだろうか?)。

    ポイントを列挙していこう:

    • 問題集は、問題に正解するために取り組むのではない。問題文から学ぶために取り組むのである。「当たった、間違えた」だの一喜一憂するな。
    • さらに、どのように聞かれるのかという「形式」に慣れるためでもある。
    • 問題集は宝だ。どんな参考書よりも役に立つ。だから、模擬試験のような「良質の問題集配布イベント」には積極的に参加し、問題集をもらって帰るべきだ。模擬試験はその意味で、たんに「問題集をもらう」ことと「時間の感覚・試験会場の感覚を感じる」ことのためのものであり、「力試し」に受けてはならない(終盤は別であるが)。
      • とはいえ、ぼくは終盤に受けた模試の「E判定」の成績表を壁に貼って、モチベーションをつねにトップギアに入れるツールとして使った。「お前はいまここだ。目標はあそこだ。じゃあ何をすべきか? グズグズしている暇はない、やれ!」と自分に言い聞かせた。
    • 休憩も入れずに何時間もぶっ続けで勉強した、など自慢にもならない。人間の集中力の持続平均は45分である。エンジンがかかって「ゾーン」に入るのに5分の猶予をいれても、50分以上の持続的勉強は避けなければならない。「ポモドーロテクニック」を使って、50分集中、10分全力休憩、のリズムがベストだ。ポモドーロ用のアプリはデスクトップにもスマホにもある。「集中できているつもり」になっている時間帯が、もっとも無駄な時間帯である。ゴロゴロ横になってテレビでも見ているほうが、弛緩になってよっぽどマシである。
    • ゾーンになかなか入れないのは、全力で休憩できていない証拠である。品質の良い椅子を買う(最低でも勉強用の椅子は3種類用意し、1クールごとに場所を移動しながら勉強すべきだ)、軽く横になれるソファーを買う、自分にとって完全に脱力できる状況が何かをリストにして明確にする、寝室に余計な情報を持ち込まない、呼吸に意識を向けられるようにする(呼気が気管をこすっていく摩擦を感じろ)、意識的にできる「瞑想」と無になれる「坐禅」の両方をマスターする、自律訓練法をマスターする。などなどできることは無数にある。
    • 受験勉強以外のことで感情がゆさぶられる、不安になる、ムシャクシャする、ストレスを感じる、というならば、やはり何かが間違っている。コーチに自分の感じていることを言葉にして話しているだろうか? その問題を克服する計画をきちんと立てているだろうか?
      • ぼくは担当生徒に、1日の終わりに「KPT」を報告させている。K=Keep:問題解決につながるよいことで、継続したいこと。P=Problem:問題だと思うから解決したいこと。T=Try:問題解決のために翌日チャレンジしてみたいこと。KPTは有機的に連関している。共時的にも通時的にも。ある問題が解決したら、別のことが問題であることがわかった→翌日のPに入れ、解決のためのTを考える→その日のTが解決にならなかったらさらに翌日は別のTを考える……など。
    • 『手帳』以外に、『英和辞典』は持ち歩いているだろうか? 鞄の中に『英和辞典』が入っていない受験生は不合格が確定する。「辞典は机上に」と考えているなら、出遅れている。
    • 勉強に使うあらゆるものは整理整頓されているだろうか? 寝室がいくら散らかっていてもかまわない。不潔でもかまわない。1年ぐらい風呂に入らなくても死なない。しかし「古文のサブノート!」と言われて5秒以内に取り出せないなら、不合格は確定する。プリント類はコピー機の拡大縮小機能を使ってA4に統一するなど、改善・創意工夫の余地はたくさんある。受験勉強はクリエイティブな仕事だと思え。
    • 「辞書出して」と言われて、3秒以上かかっていないだろうか? あなたの体の動きに無駄はないだろうか? 受験生はスピードが命だ。瞬発力を最大限に発揮すること。聞きながら書ける訓練をすること。


    先に『手帳』で推奨されている教材の注意点を述べたが、代替となるテキストや、ベターな勉強法を、以下紹介していく。

    以下に述べることを読む上での注意点は、しばしば「バカになって暗記する」とか「丁寧に理解する」とか、各項目ごとで対称的なことを言っていることだ。しかし、いずれにしても、「血肉化する」「からだで覚える」「身体化する」ことが重要で、その点では一致している。身体感覚をともなわない「暗記」は使えないし、身体感覚をともなわない「理解」はそもそも理解とはよばない。無意識のレベルで、呼吸をするように理解していて、覚えている状態にたどり着く、という目標は「暗記」も「理解」も同じであり、アプローチの方法(山道)が「バカになる」か「頭を使う」かで違うというだけである。


    英語

    英語の能力は、

    1. 「文法力」をベースに
    2. 「読解力」を積み上げ
    3. 「語彙力」を増強してく

    という、〈ピラミッド構造〉かつ〈循環構造〉になっている(いまの順番が重要だ)。

    文法(関係詞節やら文型やら)がわからなければ、長文の読解は一文たりとも進まない。

    「文」を読めないのならば、そこで使われている「単語」の品詞もわからないし、辞書に載っているたくさんの意味のうちどの意味で使われているのかもわからない。

    読解を進めていくと、比較的頻繁に目にする単語があることに気づき、そうした単語はいちいち辞書をひかずに覚えてしまったほうが楽であることを悟るだろう。〔ピラミッド構造〕

    難しい文法項目では、使われる単語も高度なため(たとえばbutの前置詞の意味とか、almostとnearlyの違いとか、thatの副詞の意味とか知ってる?)、文法を深く理解するには語彙力が必要だ。だから、新しく単語を覚えれば覚えるほど、文法の能力も上がっていく。自然と読解力も上がっていく。〔循環構造〕


    最悪の英語学習パターンは:

    1. 単語帳(『ターゲット1900』など)で単語の勉強(暗記!)
    2. 品詞分析や構文分析をせずに、分かる単語から類推して「なんとなく」長文読解
    3. 『Forest』だけで英文法学習

    このパターンでは、まともな大学に合格することは不可能である(ほとんどの高校がこのパターンで「受験勉強」させている)。

    が、これでも受かってしまう「まともでない」大学がたくさんあるため、受験業界は困らないのだろう。受験生は受験生で、「これだけやって、このレベルの大学に入ったのだから、自分という人間はこのレベルの人間なのだ」と、「自己納得」「自己正当化」してしまう。

    こういう納得のしかたを多くの人間がしてしまうことを、社会心理学は「認知的整合性理論」で説明している。

    この文章を読んでいるあなたは違う。

    あなたは「まともな」大学に入って、専攻は心理学ではないかもしれないが、一般教養課程の授業で社会心理学を学ぶとよいだろう。


    長文読解
    1. 『速読英単語 入門編』(Z会出版)
    2. 『速読英単語 必修編』(Z会出版)
    3. 『速読英単語 上級編』(Z会出版)
    4. 『センター試験過去問研究 英語』(教学社)
    5. 各大学の過去問(赤本など)

    序盤。(1)(2)を繰り返す。最低5周。できれば7周。『入門編』があやしいようなら『中学編』もチェック(じつは『中学編』がこのシリーズ最大の名著)。

    構文・品詞分析を重点的に行う。文型と、名詞句・節、形容詞句・節、副詞句・節を明確にする。ディスコースマーカー(therefore, however, because, thenなど)にそれとわかるマークをする。「句と節」とか「自動詞と他動詞」とか言われてもなんのことかわからないならば、文法にまず取り組む(下記英文法テキストの(1)『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』だけで十分読めるはずだ)。

    (1)(2)は「完璧にする」ことが重要。7~8割の理解で次の教材に進んではならない。

    派生語や関連語など、「見出し」になっていないものも重要。発音、アクセントにも注意。

    品詞分析とディスコースマーカーを手がかりに長文読解する技術については以前記事にした。


    中盤。(3)を同上。(4)にも入る。


    終盤。基本的には(5)だが、(4)と(5)の難易度の乖離が大きいため、その中間程度の問題集を1冊仕上げるべきかもしれない。定番のものがよいだろう。しつこいようだが安河内は避ける。


    文法

    じつはこの項目は、かなり悩ましい。高校生に勧めることができる、日本語で書かれた文法書が現時点で存在していないからだ。

    ぼくは、自分のオリジナルテキストで、生徒の持っている文法教科書を補いながら授業を進めている。

    (ここでリンクした電子書籍は、まだ書きかけである。アップデートがあれば通知されるように、メールアドレスを登録しておいて欲しい)

    『実践ロイヤル英文法』(『徹底例解ロイヤル英文法』ではないので注意)は比較的まともな方で、唯一日本人に勧めることができる文法書だが、使われている例文が、初学者(というのは大学入学前の英語学習者のことだ)には難しいかもしれない。大学受験には対応していない。大学入学後に必要になるテキストだ。

    文法の学習は、独学では難しい。できれば、コーチを探しだして、教えを請うて欲しい。高校の教員でも、塾講師バイトの経験があり、早慶上智レベルの合格者を輩出している経験があるならば、その人でもかまわない。

    もしいなければ、どうしよう。ということになるのだが、仕方がないから『Forest』で手を打とう。本当にこれは、ギリギリの譲歩だ。

    1. 『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』(学研)
    2. 『総合英語Forest 第7版』(桐原書店)
    3. 『総合英語Forest 解いてトレーニング 第7版』(桐原書店)
    4. 『総合英語Forest 音でトレーニング 第7版』(桐原書店)
    5. 『NextStage 第4版』(桐原書店)
    6. 『英文法ファイナル問題集(標準編)』(桐原書店)
    7. 『英文法ファイナル問題集(難関大学編)』(桐原書店)

    序盤。まず(1)を「完璧にする」。CDも付いているから、聞きながら音読する(1日目)。テキストを開かずに、CDだけで音読する(2日目)。CDをかけなくても、テキストまるごと暗唱できるようにする(3日目)。3日で終わる。3日で厳しければ、1週間かけてもいいし、3週間かけてもいい。1ヶ月以上かけるのはまずい。

    (1)さえ難しいと感じるようなら(完成まで1ヶ月以上かかるようなら)、『くわしい問題集英文法 中学1~3年』(文英堂)をこなし、音読する。中学英語を「完璧にする」ことが先決。中学英語が7~8割分かったていどでは、高校~受験英語の1割も分かるはずがない。定期試験では高得点がとれても、模擬試験には歯がたたないはずだ。「完璧にする」とは「100%にする」ことであって、血肉になっていない部分がほんの少しでもあってはならない、ということだ。


    序盤では、(1)が終わったら、(2)(3)(4)を丁寧に理解する。こちらが本番。このテキストも例文を暗唱できることが必要。そのためのテキストが(4)だ。


    中盤。(5)を完全暗記。最低5周。できれば7周(終盤にずれ込んでもよい)。このテキストに載っている程度のイディオムは受験生の全員が当たり前のように知っていると考えたほうがよい。つまりここでは差がつかない。

    発音問題はポイントだけおさえる。[α]と[ʌ]の違いのような問題はセンターには出ない。むしろ、日頃の辞書ひきで、アクセントや発音記号を必ずチェックし、じっさいに声に出してからだに覚えさせる(血肉にする)ほうが重要。


    終盤。(5)を回転させながら、(6)(7)で異なる問題形式に触れる。(6)は「完璧にする」ことが必要だが、(7)は「完璧」である必要はない。長文読解に時間をかけるべきだ。



    英作文

    「英作文は、英借文」とは、『合格手帳』にだけ書いてあるわけではない。どの英作文指南書にも書いてある。

    「文法的に正しい」からといって、(英語を母語としていない)日本人が、勝手な英文を書いてはならない。過去20年の間に、ネイティブがどこかで書いた英文をそのままパクって書かなければならない。

    あなたが今、仮に高校3年生だとして、いまから1年で冠詞や前置詞をネイティブ並に使いこなせるようになるはずがない。英作文だけは、バカになってひたすら暗記するしかない。ストックの量が英作文の得点を決める。

    1. 飯田康夫『英作文基本300選 四訂版』(駿台文庫)
    2. 各大学の過去問(赤本など)

    序盤。(1)を完全暗記。付録CDをひたすらリピート。はじめはテキストを見ながらでよい。リピートとは、ナレーターが話し終えたら声に出すこと。序盤の終わりにさしかかったら、テキストを見ずに、リピート。『Forest 音でトレーニング』が暗記できているかもチェック。


    中盤。(1)のCDをシャドウイング。シャドウイングとは、聞こえてきた2秒後に声に出すこと。つまり先を聞きながら2秒前の音を声にする。


    終盤。(2)をひと通りこなす。すべての問題に対して、自分の回答を用意する。


    リスニング

    センターレベルでOKのケースと、2次・私大で必要なケースで異なる。

    【センターレベルでOKのケース】

    1. 『センター試験過去問研究 英語』(教学社)

    まず1年分のリスニング問題を解いてみる。

    • 7割できた→(1)のすべてのリスニング問題を解く・スクリプトに未知の単語がないようにしておく・スクリプトを音読する・100%完全に聴き取れるまで聴きこむ。(これを終盤までキープ)
    • 7割未満→英検準2級の1回分の過去問を公式サイトからダウンロード。1回分のリスニング問題をひと通り解いてみる。
      • 7割できた→準2級の過去問を可能な限りダウンロードし、リスニング問題を解く・スクリプトに未知の単語がないようにしておく・スクリプトを音読する・100%完全に聴き取れるように聴きこむ(中盤にセンターに再チャレンジ)。
      • 7割未満→上の要領で、3級→4級→5級とレベルダウンしていき、英検の過去問の中から「7割できる」ものを探す。中盤のうちに準2級を100%OKにし、終盤にセンター過去問に再チャレンジ。

    最初から5級→4級→3級……と英検の低いレベルから底上げしていってもよい。5級さえ7割とれないならば、英検5級の勉強からやり直す。おそらく「英語のリスニング」以外の問題があるのだろうから、なにが聴き取れない原因なのかを探ったほうがよい。


    【2次・私大で必要なケース】

    大学によって難易度にばらつきがある。センターよりも簡単なリスニング問題であれば、上述のセンター対策をしておけばよい。

    難易度の高い、たとえば青山学院大学文学部英米文学科レベルを目指すなら、序盤は英検対策をする。やり方は上述のセンター対策と同様「7割できる」ところを発見し、そこを10割にしたうえで上のレベルに行く。2級までやっておきたい。

    英検準1級対策もしたい、と言いたいところだが、英検準1級と大学入試では必要になる語彙が違いすぎる。

    原則として志望校の過去問の対策をしておけばよいが、不安があれば、

    • 『大学入試 リスニングのトレーニング 必修編』(Z会出版)

    をこなす。入手困難だが、現時点で最強のリスニング教材だ。


    最終的には

    • 各大学の過去問(赤本など)

    を終盤にこなしておけばOK。


    英和辞典
    1. 『アンカーコズミカ英和辞典』(学研)

    現時点で、高校生~大学受験生に勧めることができる学習用英和辞典は、実質的にはこれ1冊しかない。『ジーニアス』の凋落は見ていて悲しくなってくるが、いまだに『ジーニアス』を生徒に買わせる高校教員があとをたたない、ということは、逆にチャンスだ。これを読んでいるあなたは、『ジーニアス』で「無駄な勉強」をしているライバルを横目に、出し抜けるのだから。


    国語

    まず

    • 『クリアカラー国語便覧』(数研出版)

    を用意して欲しい。もし学校で配布された国語便覧があれば、それでかまわない。

    古文・漢文・文学史に利用する(口語文法のまとめも使える)。数研のこれは、間違いも多いが(小論文の書き方や、平成以降の現代文の動向についてなど)、古文常識・漢文常識についてはそこそこ使える。


    現代文
    1. 『田村のやさしく語る現代文』(代々木ライブラリー)
    2. 『船口のゼロから読み解く最強の現代文』(学研)
    3. 『センター試験過去問研究 国語』(教学社)
    4. 『現代文と格闘する』(河合出版)
    5. 各大学の過去問(赤本など)

    序盤。(1)(2)を繰り返す。『合格手帳』にあるように、「田村の思考回路をそのまま自分の頭にコピー」する。田村をコピーしたうえで(田村の頭を使って)、船口の思考回路をそのまま自分の頭にコピーする。


    中盤。(3)を週に1年分ていどのペースで攻略。中盤ではまだ、時間配分は気にしなくてよい。


    終盤。理系の受験生で、2次では必要がないばあいは、(3)を時間を測ってこなすだけでよい。そうでないなら(5)をひと通りやった後で、(4)を受験まで繰り返し解く。


    古文
    1. 口語文法オリジナルテキスト(斉藤オリジナル)
    2. 『高1からの望月古文講義の実況中継』(語学春秋社)
    3. 『新・古文の演習ノート[2]』(日栄社)
    4. 『新・古典文法サブノート[3]』(日栄社)
    5. 古典文法オリジナルテキスト(斉藤オリジナル)
    6. 『マーク式基礎問題集 古文』(河合出版)
    7. 『センター試験過去問研究 国語』(教学社)
    8. 『古文 入試精選問題集』(河合出版)
    9. 各大学の過去問(赤本など)
    10. 『ベネッセ全訳古語辞典 改訂版』(ベネッセコーポレーション)

    序盤。古文は文法を完璧にしないことには、勉強のスタートラインにすら立てない。そして古典文法は、口語文法をすでにマスターしていることを前提に解説される。どのテキストもそうである。口語文法は中学までの義務教育でやっているはずである。

    あなたはマスターしているだろうか? それをチェックするために、次の問題をやってみて欲しい:


    • 次の文を〈1〉文節に分けて各文節を文法的に説明し、〈2〉品詞分解して各単語を文法的に説明せよ。
      • きれいな花が咲いた。
    • 〈3〉日本語の単語を10の品詞に分類する。10の品詞をすべて答えよ。

    答えはこうなる:

    • [文節]きれいな/花が/咲いた。
    • 〈1〉「きれいな」…連体修飾語で「花が」を修飾している、「花が」…主語で「咲いた」に係る、「咲いた」…述語で「花が」を受ける。
    • 〈2〉「きれいな」…形容動詞「きれいだ」の連体形、「花」…名詞、「が」…その文節が主語であることを示す格助詞、「咲い」…動詞「咲く」の連用形イ音便、「た」…存続(過去)の助動詞「た」の終止形。
    • 〈3〉名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・動詞・形容詞・形容動詞・助詞・助動詞

    どうだろうか? もしこの水準で(つまり中学国語の段階で)できていないのなら、古典文法の学習をしても無駄である。

    とはいえ、中学生向け口語文法の問題集は分厚く、いまからこなしていたのでは、大学受験に間に合わない(なにより、大学受験では口語文法は出題されないのだから)。

    そこで、ぼくのオリジナルテキストを通読すればよいことにする(これを書いている時点で、未完成。リンクを貼るまで待って欲しい。それまで『国語便覧』の「口語文法のまとめ」で代用してもよい)。


    口語文法を理解したら(あるいはオリテキを待っている間に)(2)を通読する。問題には正解しなくてよいから、望月が言っていることを理解する。

    その後、『国語便覧』を参考にしながら(3)(4)をまとめる。現段階では、暗記まではしなくてよい。

    さらに(2)に戻り、再度通読、問題を(3)(4)を見ながらでよいので、全問正答すること。


    まだ序盤は終わらない。古典文法を、一気に暗記する。これも(5)オリジナルテキスト(音声付き)を使う。古文は高度な理解力が必要だが、文法(とくに助動詞の活用や助詞の種類など)はバカになって丸暗記するしかない。くれぐれも「ラップで覚える」には手を出してはならない(YouTubeで見ることができるが、あれで覚えられれば苦労はしない)。オリジナルテキストの完成を待って欲しい。


    中盤。(6)を丁寧に5周する。品詞分析・口語訳・文学史のポイントをおさえる。古文常識についても『国語便覧』を使うなどして知識を増やしておく。古文の基本は、1問やったら文学史と古文常識をそのつど増やしていくことだ。


    2次・私大で必要なばあいは、中盤で(7)に入る。センターでのみ必要なばあいは終盤で(7)、そこで終了。私大しか受験しないためセンターは受けないばあいは(6)が終わり次第(8)に入ってよい。

    センターは20分で回答しなければならず、スピード勝負になる。「センターでのみ必要」なら終盤で時間を測りながら徐々にスピードを上げる(はじめはゆっくり丁寧に、最終的に20分で回答できるようになればよい)。

    「2次・私大で必要」なら、中盤ではゆっくり丁寧にやってよい。「ゆっくり丁寧に」とは、全文口語訳および品詞分析をすること、である。


    終盤(2次・私大で必要)。(8)を「ゆっくり丁寧に」ある程度こなしたら(量は残り時間と相談)、(9)を「完璧に」する。センター前に(7)のスピードを上げて解いて、20分以内に回答できることを確認する(終盤のために、センター過去問をあるていど残しておくとよい)。センター後は(9)の復習と(8)をできるところまで。


    (10)はいわゆる「古語辞典」。

    「2次・私大で必要」なばあいのみ必携、と言いたいところだが(こんなことを言うのは20年前には許されなかった)、古語辞典の1冊ぐらい、一家に一冊あったほうがよい。重要単語のみを集めた単語帳も参考書コーナーにはあるが、「これだけやれば(あれば)十分」という単語帳はない。それに、古文単語も英単語と同様、文脈に合わせて柔軟に訳さなければならないから、一対一対応の「単語帳」で覚えても、実戦には役立たない。

    古語辞典は、古本なら半額ぐらいで買えるから、持っていたほうが無難。


    漢文
    1. 『新・漢文の基本ノート[1]』(日栄社)
    2. 『句形と語法がわかる漢文基礎トレーニング』(駿台文庫)
    3. 『センター試験過去問研究 国語』(教学社)
    4. 『得点奪取漢文 記述対策』(河合出版)
    5. 各大学の過去問(赤本など)
    6. 『角川 新字源』(角川書店)

    古文同様、センターでのみ必要のばあいと、2次・私大で必要のばあいで異なる。


    序盤。注意点は、古典文法をマスターしてから漢文の学習をはじめること。漢文は、中国語で書かれた文を、文語文(古文)に書き下して読むテクニックのことだ。だから古文が分らないのに漢文が分かるわけがない。

    序盤は『国語便覧』を参考に、(1)をまとめる。漢文の基本(返り点・置字・再読文字・各種句形など)を「完璧にする」必要がある。マスターするまで反復する。気になる文字は(6)のような漢和辞典で調べてカード化する(いくらなんでも漢和辞典の1冊ぐらいは家の中を探せばあるのではないだろうか。あればそれでよい)。


    中盤。(2)を「完璧にする」必要がある。レベルは(1)と同レベル。『合格手帳』にあるように、「漢文は基礎を4回固める」。とはいえ、(1)と(2)を反復して「完璧に」しておけば、4冊こなす必要はない。(2)を読んでいて(1)と同じ漢字が出てきたら、頻出単語かもしれない。(6)のような漢和辞典で確認しておく。

    2次・私大で必要なばあいは、中盤のうちに(3)に入る。繰り返し、すべての問題を丁寧に読解し(書き下し文と口語訳をつくる)、よく目にする漢字は漢和辞典で調べてカード化する。


    終盤。センターでのみ必要なばあいは、終盤で(3)。はじめは(1)または(2)の自分に合っている方を参考書にして、書き込み、「自分専用のオリジナルテキスト」に仕上げる。

    2次・私大で必要な場合は(4)で記述問題対策。繰り返し丁寧に読み込む。(5)は理解10割、得点可能性9割、でよい。実際の試験で満点を取る必要はない。解説を読んで「なるほど」と思えればそれでよい。


    文学史
    1. 『新・国文学史ノート[5]』(日栄社)

    文学史の知識が必要な理由は『望月高1』で望月が述べている通りだが、現代文で過去の作家についての評論文などが出題されることも多い(漱石論がテーマの文なのに漱石の同時代の文学の特徴・歴史的前後関係を知らなければ理解はできない)。受験生だから、試験で問われるところだけ学べばよい、などということはない。これから大学に入学する者の最低限の一般教養として、このノートていどの文学史は無意識のレベルで構造化しておいて欲しい。このていどのことを知らないのなら、大学に入って、誰とも会話が成立しないと思え。


    序盤。『国語便覧』を参考にしながらまとめる。中盤・終盤でもチェックに使うため、直接書き込まないほうがよい。暗記するまで反復する必要はない。


    中盤。何も見ずに空欄を埋められるか、チェック。埋められない箇所があれば、『国語便覧』の該当箇所を読み込む。反復する必要はない。


    終盤。何も見ずに空欄を埋められるか、チェック。同上。さらに「理解」しているか、考えてみる。おそらく、「理解」するまで、「文学史を理解する」とはいかなる事態なのか、検討もつかないだろうと思う。理解さえしていれば、細かい部分を暗記している必要はない。そもそも『懐風藻』の代表的詩人が淡海三船、などという問題は出ない。

    源氏以前の「歌物語」を3つあげよ、と言われて『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』と当たり前のように思い浮かぶところまで、この時点で到達しているはずだ。


    ところで、長くなったので、前編後編に分けることにする。後半は「数学」からスタートだ。

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