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    TOEICでは使えない英文読解完全攻略

    某高校で担当している高2受験生向けに、英文読解の方法を解説するプリントを作った。

    これ、22年前にぼくが受験生だったときに自分で開発したものからまったく変わっていないのですが……(手書きがワープロになっただけ)

    TOEICでは使えない。なぜならTOEICは問題用紙にメモするの禁止だから。大学受験では今でも有効。とくに日常学習で有効。


    PDFファイルをアップロードしてあるので、関心のあるかたはどうぞ。


    英語長文読解手法

    PDFの後ろから2ページ目にここで使う例文を掲載している(平成13年度第1回英検準1級より)。実際に手を動かしてコツをつかんでみよう。

    以下の作業をほどこしたあとの例を、最終ページに掲載している。参照しながら読み進めて欲しい。


    (1)文章を段落で区切る。

    1」2」3」……のように。

    (2)文を区切る。ピリオドがきたら/(スラッシュ)を入れていく。

    re2-1ti

    :(コロン)や;(セミコロン)も場合によっては区切ったほうが読みやすい。PDFの例では、||(縦棒2本)で区切っている。

    (3)動詞にアンダーライン。

    準動詞(分詞・不定詞・動名詞)なのか動詞なのか判断がつかないときはとりあえずひいておけばよい。

    受動態はどこまでが動詞か……読解上は過去分詞までアンダーラインでOK。

    (4)接続詞や接続詞的な働きをする副詞(接続副詞)にくさび形三角形。

    but, then, therefore, though, hence, howeverなど。

    (5)句と節の分類をする。

    名詞句・節は[大カッコ]でくくる。

    形容詞句・節は{波カッコ}でくくる。

    副詞句・節は〈山カッコ〉でくくる。

    re3-1ti

    あまり厳密である必要はない。たとえば"In 1912, when officials first ..."のwhen以下は1912を修飾する関係詞節(の非制限用法)なので形容詞節だが、副詞節として解釈しても読解上は問題ない。

    学習の初期にはあえて厳密にやることが望ましい。

    挿入された句や単語が、助動詞と動詞のつながり・主語と動詞のつながりを分断しているようにみえたら(丸カッコ)でくくってしまう。意味的に重要でない、というわけではない。

    例:"were (first) held", "will (probably) be", "were (more strictly) defined"など

    re4-2ti

    (6)呼応している語句を△三角形でマーク。

    soとthat、tooとto、the moreとthe moreなど。

    (7)辞書で調べたほうがよさそうな語句を□(四角)や○(丸)でくくる。

    1行のうちに2個や3個も「意味を知らない」単語が出てくるようであれば、現在読むべきレベルの文章ではない。

    読解が終った後で、覚えておきたい語句を蛍光マーカーでマークし直す。

    re4-1ti

    以上の作業をほどこした、最終ページの例文を、以下、読解していく。空欄になっている36~40の選択肢は次の通り:

    (36) 1 amused 2 opposed 3 concerned 4 disappointed
    (37) 1 agree with 2 look up to 3 be critical of 4 pay attention to
    (38) 1 Unless 2 Since 3 Whenever 4 Although
    (39) 1 questioning whether 2 acknowledging that 3 wondering if 4 denying that
    (40) 1 virtually 2 already 3 far from 4 more than
    【第一段落】

    Baronという単語がわからなくとも、次にPierre(ピエール)ときているので、「人名かなにか」だとわかる(baronは「男爵」という意味)。Coubertinは読める必要はない(クーベルタン)。

    カンマがきてfounder(創設者)という、人をカテゴライズする単語があるので、次のカンマまでは[名詞句]であり、冒頭の人名と「同格」だとわかる。

    would not have approvedがこの文の動詞(仮定法過去完了)。この2行あとのapprovedが目的語をとっているのに、ここではofが使われている。「これはなぜだろう?」と思ったらマルで囲んでおいて、あとで辞書で調べる(approveは自動詞としても他動詞としても使えること、自動詞ならofを使って他動詞と同様の意味で使えることが判明する)。

    「近代オリンピックの創始者であるCouberinは2000年のシドニー大会を認めなかっただろう」ときてコロン。このコロンは、あとの文が前の文を説明することを意味している。

    「近代競技大会が1896年に初めて開催された時に」「女性は認められていなかった」「競争することを」女性は競技に出られなかった、ということで、この文章全体のテーマが「女性とオリンピック(ないしスポーツ)」であること、「2000年シドニーオリンピックでは女性の競技者が活躍したこと」などがここで判明する。

    「1912年には」「その時、当局は初めて認めた」「女性の競技者を」「オリンピックにおける」ダッシュは、詳細を挿入しているだけなので、(丸カッコ)でくくる。「飛び込みで1競技、水泳で2競技」ここまですべてが〈副詞句〉相当だととらえてもかまわない。「Coubertinは(36)ではなかった」(36)の選択肢をこの時点で見てもよいし、先に進んでから検討してもよい。

    第1段落

    「論争含みの決定(=女性競技者を認める決定)は促した」「彼が述べることを」「この今では悪評高い(infamous)見解を」ここでコロンがきて、次から彼が述べた見解が引用符で示されている。

    「将来、おそらく、存在するだろう」「女性のランナー、あるいは女性のフットボール選手さえも」

    「もしそうしたスポーツが女性によってプレイされれば」「それら(=女性が行うスポーツ)はproperな光景となるであろうか」ここでproperを「適切な」と訳すか「固有の」と訳すかはあとで検討すればよい。「観客に提供する」to offer以下がspectacleを修飾する形容詞句。「オリンピアドが呼び寄せる」that以下ははaudienceを修飾する{関係詞節=形容詞節}なのだが(つまりoffer+O)、はじめに文意を無視してoffer+O+Oととってしまったために、[名詞節の大カッコ]を使ってしまっている。修正してもよいが、速く読むためにはあまり厳密になる必要はない(学習の初期では厳密にやる)。

    「我々は思わない」「これ(=女性がそうしたスポーツに参加すること)が」「主張されうると」「そうであると」"to be so"は、前文で「~となるだろうか」と彼が提起した疑問文の中のbe以下(つまり"be a proper spectacle")を指している。文脈から言って、クーベルタンは女性のスポーツへの参加をよく思っていない。したがって、"proper"は「ふさわしい」ぐらいの意味だと類推できる。「オリンピックが観客に提供するにふさわしい見世物になるか? いや、ならない」と言っているわけである。よく思っていないのだから(36)は1 amused(面白がった)。

    【第二段落】

    「to(37)することは簡単である」「こんにちでは」「だが彼の態度は時代の産物である」but(だが)を含む文脈から、(37)には「批判する・否定する」に近い意味の動詞の原形が入ることが明らかである。3 be critical ofが入る。どのような時代だったかがwhen以下。「ジェンダー役割はより厳密に規定されていた」「かつ、ほとんどの国はまだしていなかった(had yet to)」「女性に投票権を与えることを」

    「当時」「こうした議論さえあった」「競争的スポーツは女性を男性に変えてしまうだろうか」エクスクラメーション・マークがあることから、今日的な観点からはいかに変な議論だったか、ということがわかる。

    re3-1

    「1920年代のはじめにおいて」「ペースは」これが主語なので、of以下を{形容詞句}ととらえてもよいだろう。「公的な受容の」「女性のスポーツの」「とても遅かったので」so~thatが呼応しており、that以下で帰結が述べられる。「女性アスリートたちは感じた」「せざるをえない(be compelled to)と」「作ろうと(try to form)」「彼女ら自身のオリンピックを」。

    A:「女性の参加の水準は」「上昇した」「より急速に」「第二次世界大戦以降」。

    B:「最初の女性の国際オリンピック委員会の委員は」「選出されなかった」「1981年まで」。

    AとBを比べると、「上昇した」にもかかわらず「長らく委員になれなかった」、という文脈だから、(38)には「譲歩(だけれども)」の意味の接続詞が入ることがわかる。4 Althoughが正解。

    【第三段落】

    「こんにち」「公式の」「国際オリンピック委員会の」「方針は」「体験した(undergo)」「完全な転換を」ここを訳出すると、「IOCの公的方針は大きく方向転換した」ぐらいになる。"with+O+現在分詞"で「Oが~して」だから「委員会は次のことを(39)して」。with以下は、カンマの前(「方針が変わった」こと)の付帯状況。「スポーツは属する」「人間すべてに」「そして役立ちうる」「buildすることに」「少女や女性たちの」「肉体的かつ精神的な」「幸福(well-being)と気づき」「そしてそれゆえ」「彼女らの役割を」「社会における」。sportsが主語で、belongsとcan help build("help to do"のtoは省略されることが多い)の二つの動詞をとっている。buildの目的語は長いため、[大カッコ]でくくった。

    方向転換したのだから、(39)以下のことを認めたということがわかる。2 acknowledging thatが適切。

    「シドニー2000年大会では」「女性の参加水準は」「これまでで最高だった」。

    re4-2
    【第四段落】

    「この進展にもかかわらず」「苦闘は」何に向けての苦闘なのかがfor以下。「公正な認識への」「女性のスポーツの」「(40)overである」。「進展した」にもかかわらず、という譲歩の表現があるため、「over(おしまい)」なのか、いなか、と言われれば、「まだまだこれからだ」ということになり、(40)が明らかになる。3 far from(終わりからはかけ離れている)。

    「しかしながら」「ほとんどの人々は」「クーベルタンのような人々という例外はあれども」「次のことに同意するであろう」「シドニー大会は」「さらなる一歩だった」「正しい方向に向かっての」。




    ……こんな感じですが……質問あればどーぞ。

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    • 『速読英単語 入門編[改訂第2版]』(Z会)
    • 『速読英単語 必修編[改訂第6版]』(Z会)
    • 『速読英単語 上級編[改訂第3版]』(Z会)

    を、

    1. 英文ページのコピーをノートの左側にはる
    2. ノートの右側に和訳
    3. 下のスペースにメモ

    という手順で。入門編2週間、必修編1ヶ月、上級編2ヶ月ぐらいで。


    英和辞典は?

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    さらにワンランク上を目指すなら

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    『表現のための実践ロイヤル英文法』を5回読む。

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